では実際、木田針灸接骨院では、どんな接骨の治療をしているのですか?
接骨院では、治療のことを施術といっています。主に手技的な療法と考えてください。
では、接骨ではどんな施術をしているかというと、患者さんの症状に応じて変わってきます。
例えば、ぎっくり腰を例にとると、まず発症の時期で施術法が変わってきます。
(ケース1) ある患者さんは
「今日、家で重たい荷物を持ち上げてぎっくり腰を起こしました」と腰に手をあてて、やや前かがみの
姿勢で来院しました。
(ケース2) またある患者さんは
「1週間前にぎっくり腰を起こし、痛くて家で寝てました。大分よくなったのですが、まだすっきりしないので
来院しました」と、普通の姿勢で歩行時はできるものの、椅子から立ち上がるときなど顔をしかめられる。
(ケース1)の場合、ぎっくり腰を起こしてすぐ来院されています。痛めてすぐの状態は患部に炎症が、
起きており、まず炎症を引かすことを第一に考えます。炎症とは痛めた患部におこるもので、腫れ(はれ)
や、熱感がある状態です。では、どうすれば炎症が引くかというと、患部の安静と冷やすことがメインとなっ
てきます。そこで、当院では、患部の状態、その患部の周囲の状態、痛みのでる姿勢の確認、その他これらの状態より2次的に発生するであろう症状の予防、防止まで考えて施術にあたります。
(ケース1)の場合、ぎっくり腰で痛めた部位に炎症があるかどうか、損傷の程度(おさえた時の痛みの度
合い、損傷範囲広さ)はどれくらいか、痛めた部位の周辺の筋肉は、損傷部位をかばっていて疲労してい
ないか、筋緊張はきつくなっていないか、まず診ます。次にどの方向で痛みがでるのかを診ますが、痛めて
すぐの場合は無理して動かすと痛みを増強させる場合があるので、この時期は無理に動かせたりしません。
それより姿勢で判断します。ケース1はやや前かがみ姿勢なので、これは後ろにそらすことが一番きつくでき
ない動作ということで、ベットで横になるときはうつ伏せやあお向けは控え、横向きにエビ状になっていただき
安静を保った状態で、炎症がある場合、冷罨法(アイシング、シップ等)をします。
次に周辺筋肉の緊張の度合いをみますが、これは痛みの部位をかばう為、この時期非常に重要な役目をして
います。この筋肉が疲労して痛み部位をかばいきれなくなると、痛み部位にまた負担がかかり損傷部位を悪化さ
せる可能性があります。よって周囲筋肉の緊張がきつい場合は、その筋肉をほぐし、血流を改善し疲労を取り除
きます。それにより再び痛み部位をかばう力が増し、悪化防止につながります。周辺筋肉の緊張をとっていると、
たまに「先生、痛みのある部位はそこと違います、もう少し下です」なんて、いわれる方がありますが、この時期は
痛み部位に刺激を加えると症状を悪化させるので、周辺組織の緊張をとっていますと説明させていただいていま
す。
あと、骨格のゆがみで患部に負担がかかるような場合は、骨のゆがみを矯正します。
そして安静を保つためこの時期は固定が大事になってきます。テーピング、晒・包帯などで固定します。
(ケース2)の場合は、すでに炎症期が過ぎてますので、患部に電気療法や温罨法(温める療法)を加え、患部の
血流促進、損傷組織の早期回復をはかります。この時期になると体をある程度動かすことができるようになってい
るのでいろんな方向に動かし、どの方向で痛みがでるか等、詳しく調べることができます。
また直接患部に手技療法を加えることができるので、マッサージ等加え、痛みをかばうことにより生じる骨のゆがみ
を矯正したり、ストレッチ療法、筋力強化体操の指示、指導をしていきます。
ケース2では「1週間家で寝ていて」と「椅子から立ち上がるときに顔をしかめる」ことから、腹筋低下が考えられます。
1週間じっとしていたことにより筋力が低下します。立ち上がる時痛みがでるのはお腹の筋力が落ち(腹腔内圧の低下)
踏ん張る力が弱いため患部に負担がかかっているのです。よって腹筋中心の運動療法が重要になってきます。
この時期の固定は筋力低下具合と損傷部の安静度合いをみながら決定します。必要に応じて固定するかしないか決め
るということです。
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